先日坊守が礼状を整理していたら、ある手紙が出てきたと私に告げた。見てみると、2年前妹のところのお寺(埼玉県の草加市)に説教に行ったときのことが記されていました。
その時の法話はいつもと勝手が違い、冷や汗ものだったのですが、お手紙にはやさしい言葉がつづられており、少し胸に来るものがありました。
その方は光圓寺のご門徒の方で、草加にも娘さんご夫婦と一緒に時々お参りに来られていたようで、義弟もよく知っていたようでした。私はというと、お名前は存じ上げていたのですが、お会いしたのは初めてでした。
その方はその数ヵ月後に亡くなられたのですが、お会いしたときのことはよく覚えています。というのも、法話会の直前に私は人間ドックを受けたのですが、その時腹部エコーで肝臓に影があり、腫瘍の可能性が・・・良性の場合もありますが・・・と指摘されました。それでCT検査を行うことになったのですが、そこの病院では受診できるのが一ヵ月後、そんな不安な状態で法話なんかできるだろうか、という状態でした。
それで、かかりつけの先生に相談し他の病院で検査を受けることになりました。結果は良性だったのですが、そんなものができていること自体ショックでした。結果が分かったのが一週間前で、そこから気を取り直して草加に参ったのですが、十分にお話しすることはできませんでした。それでも、法話後うちのご門徒さんにお会いできたことは何よりうれしかったです。来て(来れて)よかったと。
ちょっとした状況の変化で、その方とはお会いできなかったのかもしれません。でも、お会いできたということは不思議なご縁です。
お亡くなりなられたことは寂しいことですが、何か強烈な結びつきができたような気がします。遠く郷里を離れても気にかけてくださる人がいる。そう思うと一つ一つのつながりをこれからも大切にしていきたいと思います。
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